エルアラド聖王国に突如として未曽有の危機が迫る。
王国に伝わる「神樹セフィロト」を狙う暗黒魔導結社ゼノバイトによる侵攻が始まったのだ。
そんな中、エルアラド聖王国の王女セシリィは、聖女として民を癒すだけで侵攻を止められない自身の無力を嘆いていた。
闘う力があれば...王国を救う力が自分にあれば...
それまで知恵など無いような振る舞いをしてきた「淫魔」が罠を仕掛けて来た事によって、王女セシリィの運命が変わる。
「神樹セフィロト」の禁忌の力によってセシリィは、楽園の騎士「エデンスリッター」へと変身したのだッ!
しかし、淫魔に対抗できる強大な力には反動があって....!?
そんなプロローグで始まる本作『エデンズリッター』は変身ヒロインモノ。
変身ヒロインモノというなら、その変身の要素を語らなければならないのでしょうが、いかんせん私自身が変身ヒロインに特別な感情がなく、本作『エデンズリッター』をプレイする上で「巨乳」や「お尻」というビジュアル面に惹かれすぎたせいで、あまり変身について感想が無いのが痛い所。
そもそも『エデンズリッター』は変身ヒロインモノという割には、ヒロイン二人の変身シーンに特別な演出もなく、闘いも単調で簡素なエフェクトで誤魔化している感が否めないのです。
これが変身ヒロインモノではなく、純粋なエロファンタジーだったのなら文句も出ないのですが......
惜しいのはシナリオで語られる世界観や登場する「淫魔」達の設定がシッカリしまくっている事。
きっと変身要素を無くしてエロを弱め、戦闘にリソースを振っていたなら純粋なエロファンタジーとして楽しめる作品にもなれた事でしょう。
それをあえて変身ヒロインモノにし点だけが本作『エデンズリッター』の失敗した部分だと思います。
と、いうようなネガティブな感想はここまでにして、シナリオ部分で良かったと思える点をお伝えしましょう。
まず「淫魔」とのHシーン。
これは戦闘シーンではなく、敗北Hの部分です。
普通、変身ヒロインモノなら捕まって肉体改造or洗脳といった段階を踏んで堕とされるワケですが、『エデンズリッター』では世界観もあって「悪の研究所」はありません。
そのため、「街中」や「森」といった戦闘した地点でそのまま敗北Hが始まる仕様。
設定として「聖女」や「騎士」という淫らな行為に縁遠いキャラクターであるヒロインが、力の代償に感度が上がってしまった弱点を突かれ、信仰心や正義感を圧倒的な快楽で粉砕されていく様子は非常に興奮します。
「これは神の試練、絶対に屈しないわ」→「こんなのムリ!もうムリもうムリ!」→「神様助けてえええ!」という展開が『エデンズリッター』のデフォルト(笑)
優勢な時は献身的な理想のヒロインであった彼女達も、結局「あさましい人間」だったんだ......とプレイヤーは思うはず。
こういったギャップの書き方が非常に上手かったのでHシーンについてはシナリオ担当を評価したいです。
次に「淫魔」の設定が面白い点。
前にチラっと書きましたが、ヒドラという「淫魔」の生殖器が本当にツボでした(笑)
フツーあんな所に生えますかね?
ファンタジー世界お約束の「オーク」や「ゴブリン」といった怪物ではなく、ちゃんと一から生態を考えたユニークな怪物「淫魔」を登場させた点を評価せずにはいられません。
そして最後にヒロインの堕ち方。
「聖痕」という感度が上がってしまう弱点を責められて....という展開がデフォルトだと書きましたが、ヒロインが屈服する過程は様々なのです。
例えばこのシーン、
『淫魔』に憑依されてしまった友人ユニコーン君を覚悟が足りないせいで殺せなかったシーン。
自分の手を汚す決断が出来なかったせいで友人であるユニコーン君の身体に犯されてしまうワケです。
必死に呼びかけ巻き返しを狙いますが時すでに遅し。
ヒロインは自分の決断のせいでユニコーン君を救えなかった事に対する罪悪感と、殺されるかもしれない恐怖で堕ちてしまいます。
勿論、物理的に追い詰められるシーンばかりなのですが、こういった心理的に堕ちる過程がシッカリしているので、信仰心を試されているという設定とリンクして凌辱感が強くなっています。
変身ヒロインモノとしては薄い印象を受けますが、こうした凌辱シーンの力の入れようは目を見張るモノがあるので、シナリオを読む際は注目してみましょう。