某マンションの管理人として日々を過ごす主人公、中出棒一郎がマンションの住人を強請っているシーンから始まる本作『嫁挿れどき』。
この冒頭シーンは中出棒一郎の日常を印象付けるシーンで、過去にも同じような悪行を重ねて来た事を匂わすテキストが随所に仕込まれています。
主人公とヒロインが住むマンションを手に入れた理由も、
妻と娘をNTR! した上で実際のオーナーであるアルツハイマーの老人に付け込んで権利を得た模様(笑)
鬼畜すぎる所業を平気でこなす主人公、中出棒一郎の自由すぎる行動にプレイヤーも痛快さを感じる事でしょう。
『ベルゼブブ』の特徴である、下品なギャグ多めの軽快なテキストは健在で、前作『スポットライト☆シンデレラ』よりも『ベルゼブブ』していると言えるかもしれません。
個人的に『嫁挿れどき』をプレイし始めてすぐ「あ、バカゲー路線に戻ってるじゃん」と思ったのは他でもなく棒一郎のこの一言、
ハイ、アイドルとの純愛を描いた前作とは大違いですね!
なんでしょうかね。
安堵? 安心? そういった感情がありましたね。
思いついた言葉をそのまま書いているようなテキストの雰囲気と、容赦のない主人公贔屓のご都合展開。
今までの『ベルゼブブ』を思い出させてくれるストーリーでした。
その反面、前作にあった良さは無く、作風的に言えば原点回帰したシナリオと言えるかもしれません。
そのため、完全にメインはHシーンであり、Hシーン以外はスキップしても良いんじゃないかと思える出来です。
プレイ後に一度寝れば忘れる程に薄いシナリオなので、抜き目的で購入するのをオススメします。
とはいっても随所に仕込まれたギャグや、後程紹介しようと思っているオマージュ要素が他ゲームよりも笑えるモノばかりなので、一周目は中身の薄いテキストも読んでみても良いかもしれません(笑)
腹は抱えないまでも、ニヤニヤしてしまうくらいには面白いので、空いた時間にでもプレイするのが良いかもしれませんね。
ただ、NTRモノとして考えると少し首を捻ってしまう出来でもあります。
とにかく「寝取る」シーンまでが長いのと、「寝取った」際に透けて見えるはずの寝取られた息子達の存在が薄いのです。
挿入までが長い割に、「寝取ったった!!」という達成感が薄いというか、なんというか。
私が確認した息子達の登場シーンは逮捕エンドの二言三言くらいですからね(笑)
個人的にNTRモノならNTRを見せつけるシーンの一つはお約束と言って良い程鉄板だと思うのですが、『嫁挿れどき』には特にそういったシーンは用意されていないのです。
これならもういっその事、血縁関係のない、単なるマンションの住人の妻として「嫁」達を出しても良かったのでは?
息子の嫁という要素をウリにするなら、それこそNTRの達成感を前面に出したシーンが必要だったはずなんです。
それが無かったので、いっその事、他人の妻だったら良かったんじゃないかな~と思ってしまったワケです。
Hシーンのテキストに関しては従来のクオリティが守られているので、やはりウリに対してのアンサーになるようなシーンが無かった事が致命的ですね。
別視点を搭載しているゲーム等もあるので、「嫁」視点でHシーンを書いてみても良かったかもしれません。
それであれば、シチュエーション的にNTRの達成感が無くても、テキストだけでNTRしている感じが増すので違った印象があったかなと思います。
まぁいちユーザーの意見なので「意義あり!」なんて方もいるかもしれませんが、正直な感想としては以上になりますね。