評価

・オカズ度 【A】

前作もそうですが、本作『千の刃濤、桃花染の皇姫』においてもHシーンは別枠。

シナリオ上でそういったシーンは用意されておらず、各ヒロインルートをクリアした時点で対応したHシーンが追加される形。

『AUGUST』専属原画家である「べっかんこう」氏が描く女の子は下品さがまったく無く、どことなくあどけなさが残る幼女と成人の中間のような可愛らしさがあります。

どちらかというと「ロリ」寄りな趣向の方に合う絵柄かな~と思います。

個人的にオススメなのはこのシーン。

お兄様への愛を日記に綴る義妹ちゃんの視点から始まるHシーン。

ネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、これは初体験を終えた後の回想シーンになります。

情勢や立場を考えて身を引こうか思い悩み、「でも好き!」というお約束な流れ。

このシーン以外も義妹ちゃんのHシーンはソソルシーンが多いのですが、このアングルが個人的に一番キましたね......

・キャラクター/声優 【S】

他ゲームでも有名な声優さんが参加している事もあり、総じて高レベル。

男性陣にも全員声が有り、完全フルボイスとなっております。

個人的に主人公の声と朱璃の声が好みじゃなかったという重いハンデがあったものの、シナリオと声優さんの熱演によって最後には好きになっていました。

ちなみに、なんで主人公と朱璃の声が好みじゃなかったかというと、まず主人公が老けすぎた声であったのと、朱璃の叫び声が汚かったせいですね(笑)

通常シーンでは主人公の声に「ぐぬぬ」となって、叫び声が上がるシーンでは朱璃の声に「え、マジで帝?」となってしまい、ちょくちょく没入感が阻害されてしまいました。

とはいっても先に書いたように終盤に進むにつれてキャラクターへの思い入れも増し、それまで感じていた不満も「そういうキャラクターなんだ」と思えるようになり、最後には好きになっていました。

こういう体験が声優の凄さなのかもしれませんねぇ。

・イラスト/アニメーション 【S】

Hシーンはアニメーションの無いスチルの差分変化。

戦闘シーンは一部アニメーション有り。

戦闘シーン等の演出で使用されるエフェクトはカッコよく、刀と刀の戦闘や、銃の乱射をよく演出できていたと思います。

特に武人の武器である「呪装刀」の特殊能力を駆使した戦闘は手に汗握る迫力があり、武を極めた達人同士の戦闘なのでギリギリ感がハンパないです。

プレイヤーの中二心をくすぐりつつ、よく考えられた説得力のある描写で左クリックが止まりませんでした。

血が吹き出すシーンや、

呪装刀のエフェクト、

どれも作り込まれていてカッコよかったですね!

そんな戦闘シーンも好きなのですが、一番褒めたいのは背景!

 

これまでの作品も美麗な背景がシナリオの世界観を補完してくれていたのですが、本作『千の刃濤、桃花染の皇姫』の背景は現状発売されているエロゲーの中でも随一ではないでしょうか?

個人的にナンバーワンの背景はTYPE-MOONの「魔法使いの夜」なのですが、それに迫る出来でした。

これからもこのクオリティを維持・向上させていってほしい所。

 

・ストーリー/構成 【A】

シナリオ重視のエロゲーとしては最優秀賞はとれないけれど良作ではある、といった印象。

世界観も登場人物も全てシッカリ練られていて、その点についてはもう粗探しするしかない程のクオリティなのですが、やはり先にも書いた学院場面が不要だったと思います。

学院に行く理由や通える理由等々、学院に付随する要素の全てが邪魔になっている気がします。

無理矢理感があるので気になって気になってしょうがありませんでした。

ただ、そこを抜けると不満はほぼ消えます。

最後の展開は賛否両論かもしれませんが、個人的には満足です。

ファンタジー・平安時代・戦後の混乱・現代技術等々、色々な要素をごちゃまぜにした結果、まとめ切れていない印象があるので、もう少し単純にした方が良い気がしました。

・オリジナリティ 【B】

GHQに占領されていた頃の日本を思わせる情勢や、天皇を政治の頂に置いていた平安時代、そこに現代風の知識や技術、文化をいれて....

出来上がったのは「どこかで見た設定」ばかり。

生き生きとしたキャラクターやシナリオの展開があったので楽しめましたが、オリジナリティは? と問われたら「まったくないですね、うん」としか言えないです。

最低評価にしなかったのは「面白かったから」に他なりません。

アニメ作品や他の創作物全般に言える事ですが、コンテンツ溢れる創作物過剰供給な時代なので、おもいっきりブットンだ要素を入れない限りオリジナリティを出すのは難しいですね。

・ゲームシステム/音楽 【S】

世界観に合った音楽でどの曲もシナリオに違和感なく溶け込んでいました。

OP曲は神曲といっても良いくらいカッコよくてしばらくヘビロテしました。

コンフィグ(ゲーム設定)に定評のある『AUGUST』の作品という事もあって本作も例に漏れず設定出来る箇所は多いです。

タッチパネル対応もそうですが、標準でゲームパッド設定やショートカットキー設定が搭載されているのでプレイが物凄く快適です。

ここまでユーザーに配慮したエロゲメーカーは珍しいんじゃないでしょうか。

個人的には【S】評価飛び越えて【SSSS】くらいつけたい所。

・ボリューム/価格 【A】

シナリオのボリュームはフルプライス作品としては妥当。

共通ルートから個別ルートに入る作品と違って階段上に分岐するシナリオなので、体感では普通のエロゲーよりも作品に浸るという意味で優れていたと思います。

なにせ共通ルートが用意されていないので、一人のヒロインをクリアして再プレイしたとしても、そこには本筋の続きが待っているワケで......

いつも共通ルートをスキップして別ヒロインを攻略する流れなので、なんとなくボリューム的に得した気分になれるんですよね。

まだまだ値段が余り下がっていない作品ですが、フルプライスの価値はあるので購入する事をオススメしますよ!

 

 

DMM


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