「心配するな」という書置きを残し、姿を消した父親が4年ぶりに姿を見せる。
横には見知らぬ女性が一人。
彼女は有馬汐梨、なんと父親の婚約者で自分の母親になるかもしれない女性だという。
しかも、これから同居する!?
「女性恐怖症に悩んでいるのにそんなの無理だ!」と思っていた主人公だったが、汐梨の母親ぶりに次第に心惹かれていく事に。
その愛情は母に向けたモノですか? それともアナタは母ではなく.......
そんな冒頭から始まる本作『は~とふるママン』の物語は、汐梨に対する主人公のスタンスによって変化していく事になります。
母親を失った主人公が新たな母親として汐梨を受け入れ、心の穴を埋めるのか。
それとも、初対面で感じた性欲に従って汐梨を己が女とするのか。
はたまた性に貪欲な親族や、街に蔓延る害虫(間男)達に汐梨を盗られてしまうのか。
全てはプレイヤーの行動に懸かっているのです。
基本的にメインストーリーとなる母親ルートと、父親からNTRするルートは、汐梨と行っていく女性恐怖症の治療と称するエッチな行為によって分岐していきます。
このエッチな行為というのは、プールでオイルを塗ったり、キスをしたり、授乳したり、といったいわゆる前戯部分のみで、本番行為は一切ありません。
そんな生殺し状態で本編はしばらく進んでいくのですが、この期間が長い長い。
物語的にも設定的にも、エッチな行為は治療目的であり、それは主人公も汐梨も理解しているので、この変な関係は長く続いていくワケです。
そして、その間に主人公の汐梨に対する好意の形が定まっていき、恋人として愛するのならば初Hなのですが、この初Hからのゴム有状態も長いんです。
この、抑圧からの解放的なカタルシスがハンパでは無く、ようやく「生」で「本番」に漕ぎつけたシーンは、主人公とプレイヤーのシンクロ率は400%オーバーして溶けて無くなる程になるはずです。
個人的に、この流れが本作『は~とふるママン』の醍醐味だと思います。
NTRされるルートや母親として受け入れて父親の結婚を祝福するルート等もありますが、「は~とふるママンのメインストーリーって何?」と聞かれたら迷わず「父親からNTRするルートがあるんだけど......」と説明を始める事でしょう。
......というのは万人に向けた表向きの話でして、私一人の醍醐味としてはサブヒロイン「黒川麻衣」救済ルートを推したい所!!
本作のパッケージ、公式サイトの看板においても汐梨がメイン......というか一人で担当していますが、私のメインヒロインは麻衣ちゃんです!!
Hするまでの我慢の時期は二人のヒロイン共通の部分なのですが、その我慢の時期に感じる想いの重さは圧倒的に黒川麻衣ちゃんにあると思うんですよね。
じわじわと和郎に堕とされていくシーンは麻衣視点で進み、このシーンの回避法は、ありません(笑)
そう、必ずNTRされてしまうのです。
そもそも和郎と麻衣は既に夫婦ですから当たり前の事なのですが、やっぱり麻衣ルートに行こうとしているプレイヤーからすれば屈辱以外のナニモノでもありませんよね?
いや、和郎と同じく変態の人は知りませんが、一般的には握り拳で歯を食いしばるシーンですよね?
そして、主人公に対する気持ちが欠片も失われていない麻衣の心中が描写されている事もあって、「は、早く助けないとッ!」という焦燥感がルート中プレイヤーを苛むのです。
本番行為に漕ぎつけたとしても、それは和郎の興奮を高めるための策略であり、主人公自身の心も、戸惑い、煮え切らない状態なので、完全に救済したとは言えません。
画像のように、ついに、麻衣の捨て身の行動で「生」が実現した時、今までの鬱憤が解放されるカタルシスとイケナイコトをしている背徳感が、プレイヤーを汐梨ルートでは辿り着けない高みへと押し上げてくれる事でしょう(大げさ)
そもそも父親からNTRするより不本意に結婚した女性をNTRする方が一般的に受け入れやすいですし(笑)
そういった点からも悪役(?)以外は丸く収まるルートでもあるので個人的にオススメしたいヒロインになります。
あ、親族とかにNTRされるルートは実用性の部分でお使い下さい。
本当に主人公の父親である元が可哀そうな作品でした(笑)